ノクターン第16番(ショパン)

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ノクターン第16番変ホ長調作品55-2は、1843年ごろにショパンによって作曲されました。
優雅な夜という感じのノクターンです。ワインを飲みながら聴くにはいちばん合っているかもしれません。
第13番とか第14番とかもワインやブランデーに合いそうな曲なんですが、それらよりも格別に上ですね。
気だるさを感じないので、単に心地よい気分で過ごしたい日にはピッタリです。

見た目の優雅さとは違って、弾くのはかなり大変です。
演奏法のポイントについてChatGPTに「左手は跳躍が多く大変ですが、演奏でのポイントを教えてください。」と聞きましたが、私の見解もこんな感じです。

確かに、ショパンのノクターン第16番Op.55 No.2では左手の跳躍が頻繁に現れますが、その演奏をスムーズにするためにはいくつかのポイントがあります。

  1. 手の形と姿勢の維持: 左手を使った跳躍を行う際には、手の形を維持し、リラックスした姿勢を保つことが重要です。手首や指を緩め、強制的な力みを避けるようにしましょう。
  2. 跳躍の予習と訓練: 各跳躍の前に、その跳躍の位置をしっかりと把握し、必要に応じて手の位置を調整します。繰り返し練習し、跳躍の正確性と滑らかさを向上させることが重要です。
  3. 音のコントロール: 左手の跳躍だけでなく、音楽全体の表現に集中しましょう。音色やダイナミクスを意識して演奏し、曲全体の流れに合わせて左手の跳躍を調整します。
  4. リズムの安定性: 特に左手が跳躍する箇所では、リズムの安定性を保つことが重要です。正確なテンポを保ちながら、跳躍する音符とその周囲の音符をバランスよく演奏するように心掛けましょう。
  5. セクションごとの練習: 曲全体を一気に演奏するのではなく、跳躍の多い部分や特に難しい箇所をセクションごとに練習しましょう。それぞれのセクションを充分にマスターした後に、全体をつなげて演奏すると効果的です。

これらのポイントを意識しながら練習を行うことで、左手の跳躍をよりスムーズに演奏することができるでしょう。

まあ、頻繁というか始めから終わりまでずっとなんですがねww
ChatGPTは簡単に言ってくれていますが、簡単だと思わせる演奏をするまでには、どれくらいの月日がかかるかはわかりません。

曲の構成

明確な区分はありませんが、私のざっと見で分けています。

最初


最初から難しいです。左手の跳躍が大きいので、音を外しやすいです。
しかも法則性はほとんどないので、何回も弾きこんで覚えるしかありません。

右手はフルートの音色を意識するといいかもしれません。
フルートの柔らかさや透明感をピアノで表現できるとレベルの高い演奏になります。
まあ、それは上級者向けですが、最初のうちからそういったところにも意識できると、音符を追うだけの演奏は避けられるはずです。

中間パートにマーカーしました。
ここはクラリネットの暖かい音色を意識して、メロディと弾き分けましょう。

左手はどうなのかといったらハープですね。
優しい音色ですね。跳躍が大きいので練習がかなり必要ですが。


4連符の後の3→5の移動は素早く行わなければなりません。
第18番の1→5の移動ではゆっくりでよかったのですが、この曲ではもたもたしていると、内声パートが出遅れてしまいます。
左手はヘ音記号とト音記号がちょくちょく切り替わるので、音を見間違えやすいところです。

中間部


第1のピークで広がりのある音で弾いていきましょう。
ここの10連符は5拍+5拍でなかなかタイミングを合わせにくいですが、少し速度を緩めても構いません。
次のpのところで速度を元に戻しましょう。
臨時記号で忙しいですが、他のノクターンに慣れていればどうってことはないはずです。


トリルを含んだ半音移動は最初の音を少し重たくしましょう。
そうすると聴いている人に音がはっきりとわかるようになります。

ffで第2のピークに持ってきてください。
7連符のオンパレードです。内声はメゾスタッカートなので、音の粒をはっきり目立たせるようにしましょう。

左手は途中3オクターブ以上の跳躍がありますが、とにかく音を合わせる勢いで頑張りましょう。


この3連符の表記に私は引っかかりました。普通の16分音符です。
おそらく3拍+3拍+3拍+3拍ということを示したかったからではないのでしょうか。
普通に演奏したら2つずつになるので、こういう紛らわしい表記になったのでしょう。


クレッシェンドとディミヌエンドの付け方はこんな感じだと思います。
ワルトシュタイン第3楽章のトリルみたいですね。あっちはもっと長いですが。
トリルしながら上のメロディを奏でるのは技術が必要です。指総動員です。

コーダ


コーダは基本的に静かに終わります。
アクセントの前も連符の最後の音符が音階になっています。
実際に演奏するとなると、5連符に翻弄されて、意識するのはなかなか難しいです。

ChatGPTにこの部分を質問したところ、このような答えが返ってきました。

4連符や5連符のリズムが取りにくい場合、次のようなアプローチが役立つかもしれません。

  1. 分解して練習する: まず、4連符や5連符を1つずつ分解して練習します。最初は各音価を分離して演奏し、リズムを確実に取ることに集中します。その後、少しずつ音を組み合わせていき、全体のリズムを確立させます。
  2. アクセントの設定: リズムを取りやすくするために、アクセントを付けることが有効です。特に、4連符や5連符の最初の音にアクセントを置くことで、リズムの基準を明確にすることができます。
  3. カウントを意識する: 演奏中にリズムを取りにくい場合は、内心でカウントを意識することが役立ちます。4連符や5連符の各音価に合わせてカウントし、正確なリズムを保つようにします。
  4. 遅めの練習: リズムが取りにくい場合は、一時的にテンポを落として練習することも有効です。ゆっくりとしたテンポで演奏し、リズムを確実に取れるようになった後に徐々にテンポを上げていきます。
  5. メトロノームの利用: メトロノームを使って練習することで、正確なリズムを保つことができます。メトロノームのクリックに合わせて演奏し、リズムを身につけることが重要です。

これらの方法を組み合わせて練習することで、4連符や5連符のリズムを取りやすくすることができます。地道な練習と忍耐が必要ですが、徐々に改善されることでしょう。

大方合っていますが、2.はこの場合はあまりよくないです。
こういった癖がついてしまうと、本来アクセントをつけるべきではないところに余計なアクセントをつけてしまいます。
特に拍の頭は何も考えなくてもアクセントが付きがちなので、こういう練習は避けたほうがいいです。

私はメトロノームを使って分解して練習するのがいい方法だと考えています。
3拍の中にうまく4連符や5連符を均等に割り振る練習をしたほうがいいでしょう。

最後フォルテで終わりますが、今までのフォルテやフォルティッシモと違って、そんなに強くする必要はありません。
というかメゾピアノぐらいの大きさぐらいだと思ってくれれば間違いありません。

難易度

かなり難しい。暗譜できるまでには相当な月日がかかるでしょう。

演奏時間

5分程度

私の演奏動画

演奏動画はまだできていません。
出来次第アップロードしますが、この曲は難しいので年内には必ず出したいところです。

ノクターンはこれにて終わったので、次はワルツを紹介します。

ショパンのノクターン一覧

作品番号調性難易度(10段階)演奏時間作曲された年
第1番Op.9-1変ロ短調55~6分1830~1831
第2番Op.9-2変ホ長調44~5分1830~1831
第3番Op.9-3ロ長調77分1830~1831
第4番Op.15-1ヘ長調64分1830
第5番Op.15-2嬰ヘ長調54分1830
第6番Op.15-3ト短調34~5分1830
第7番Op.27-1嬰ハ短調75~6分1835
第8番Op.27-2変ニ長調85~6分1835
第9番Op.32-1ロ長調44~5分1836~1837
第10番Op.32-2変イ長調75~7分1836~1837
第11番Op.37-1ト短調46分1838
第12番Op.37-2ト長調86~7分1838
第13番Op.48-1ハ短調96分1841
第14番Op.48-2嬰へ短調67~8分1841
第15番Op.55-1へ短調65~6分1843
第16番Op.55-2変ホ長調105分1843
第17番Op.62-1ロ長調87~8分1845~1846
第18番Op.62-2ホ長調75~6分1845~1846
第19番(遺作)Op.72-1ホ短調54分1827~1830
第20番(遺作)B.49 KK.IVa-16嬰ハ短調44~5分1830
第21番(遺作)B.108 KK.IVb-8ハ短調33~4分不明

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