ノクターン第9番(ショパン)
ノクターン第9番作品32-1 ロ長調は、1836年から1837年にかけてショパンによって作曲されました。
構造こそ単調なものの、わりと演奏しやすく聴きやすいノクターンだと思います。
落ち着いた印象です。
曲の構成
最初
4分の4拍子の分かりやすいリズムですが、注目すべきはstrettoからの休符フェルマータ。赤で囲ってあるところです。
ここでペダルをしっかり離して、音をとにかく消すのに専念しましょう。
ペダルを離すときもあまり大きな音を立てずにうまく足から離れるような意識でないと、雰囲気が台無しになります。
いわば無の境地を楽しむ感じですかね。
この休符をしっかり際立たせてこそ、このノクターンはよく栄えます。
中間部
このメロディは2回出てきますが、最初のほうはtranquilloの名の通り、静かに落ち着いた音色を意識するとよいです。あまり急ぎ過ぎないように。
2回目は同じメロディで退屈しないように、私は少しだけ強くして速くしています。
右手の部分は慣れたら上の音符と下の音符で音色を変えると面白みが増えます。
コーダ
最後も休符が命です。赤で囲ってある4か所が肝心です。
ペダルを離し忘れると音が濁って台無しになります。
というかペダルを使わずに弾いたほうがこの部分はきれいに聞こえます。
難易度
比較的易しめの難易度ですが、32分音符で焦らないように注意。
演奏時間
5分から6分程度。
私の演奏動画
いたって普通の演奏動画です。
あまりテンポを揺らす曲でもないので、楽譜の指示通りに演奏しています。
ショパンのノクターン一覧
作品番号 | 調性 | 難易度(10段階) | 演奏時間 | 作曲された年 | |
---|---|---|---|---|---|
第1番 | Op.9-1 | 変ロ短調 | 5 | 5~6分 | 1830~1831 |
第2番 | Op.9-2 | 変ホ長調 | 4 | 4~5分 | 1830~1831 |
第3番 | Op.9-3 | ロ長調 | 7 | 7分 | 1830~1831 |
第4番 | Op.15-1 | ヘ長調 | 6 | 4分 | 1830 |
第5番 | Op.15-2 | 嬰ヘ長調 | 5 | 4分 | 1830 |
第6番 | Op.15-3 | ト短調 | 3 | 4~5分 | 1830 |
第7番 | Op.27-1 | 嬰ハ短調 | 7 | 5~6分 | 1835 |
第8番 | Op.27-2 | 変ニ長調 | 8 | 5~6分 | 1835 |
第9番 | Op.32-1 | ロ長調 | 4 | 4~5分 | 1836~1837 |
第10番 | Op.32-2 | 変イ長調 | 7 | 5~7分 | 1836~1837 |
第11番 | Op.37-1 | ト短調 | 4 | 6分 | 1838 |
第12番 | Op.37-2 | ト長調 | 8 | 6~7分 | 1838 |
第13番 | Op.48-1 | ハ短調 | 9 | 6分 | 1841 |
第14番 | Op.48-2 | 嬰へ短調 | 6 | 7~8分 | 1841 |
第15番 | Op.55-1 | へ短調 | 6 | 5~6分 | 1843 |
第16番 | Op.55-2 | 変ホ長調 | 10 | 5分 | 1843 |
第17番 | Op.62-1 | ロ長調 | 8 | 7~8分 | 1845~1846 |
第18番 | Op.62-2 | ホ長調 | 7 | 5~6分 | 1845~1846 |
第19番(遺作) | Op.72-1 | ホ短調 | 5 | 4分 | 1827~1830 |
第20番(遺作) | B.49 KK.IVa-16 | 嬰ハ短調 | 4 | 4~5分 | 1830 |
第21番(遺作) | B.108 KK.IVb-8 | ハ短調 | 3 | 3~4分 | 不明 |
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