ノクターン第11番Op.37-1(ショパン)の解説~構成と魅力を演奏者目線で紹介
ノクターン第11番作品37-1 ト短調は、1838年ごろにショパンによって作曲されました。
あまり知られていないノクターンだと思います。
私も正直ノクターン全集を見るまでは存在さえ知りませんでした。
それぐらい地味な印象です。
聴いていても退屈だし、全曲弾きとおすぐらいの物好きしか演奏しないでしょうね。
曲の構成
全体的に装飾音符が多いです。
装飾音符は拍の先頭でとるべきです。
最初

冒頭部分はアウフタクト、弱起ですね。
ちょっと先走っている感が他のノクターンにはない特徴です。
3連符の3-3-3の動きが妙ちきりんですが、ちょっと重たい音色が欲しいのだと思います。
普通だったら4-3-2や3-2-1にするでしょう。
この動きはもう1回出てきます。
強弱の幅が多くて情緒不安定な序盤です。

ここの細かい動きは青線のところで合わせています。
今の楽譜だったら間違いなく32分音符で書いていますね。
中間部

序盤の情緒不安定さとは違って、静かに厳かに演奏する感じです。
すごく眠たくなりそうな音型運びですね。
最後

4回のくどいフェルマータが終わると、終盤に入ります。
気持ちが落ち着いたかと思ったら、また情緒不安定になります。
聴いているだけでちょっと不安になってくる曲ですが、仕様です。

最後は安定のピカルディ終止。
ショパンのノクターンの中では、しないほうが珍しいぐらいです。
しないのは第21番(遺作)だけでしょうか。
難易度
比較的易しい
演奏時間
6分程度
私の演奏動画
ショパンのノクターン一覧
| 作品番号 | 調性 | 難易度(10段階) | 演奏時間 | 作曲された年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1番 | Op.9-1 | 変ロ短調 | 5 | 5~6分 | 1830~1831 | 
| 第2番 | Op.9-2 | 変ホ長調 | 4 | 4~5分 | 1830~1831 | 
| 第3番 | Op.9-3 | ロ長調 | 7 | 7分 | 1830~1831 | 
| 第4番 | Op.15-1 | ヘ長調 | 6 | 4分 | 1830 | 
| 第5番 | Op.15-2 | 嬰ヘ長調 | 5 | 4分 | 1830 | 
| 第6番 | Op.15-3 | ト短調 | 3 | 4~5分 | 1830 | 
| 第7番 | Op.27-1 | 嬰ハ短調 | 7 | 5~6分 | 1835 | 
| 第8番 | Op.27-2 | 変ニ長調 | 8 | 5~6分 | 1835 | 
| 第9番 | Op.32-1 | ロ長調 | 4 | 4~5分 | 1836~1837 | 
| 第10番 | Op.32-2 | 変イ長調 | 7 | 5~7分 | 1836~1837 | 
| 第11番 | Op.37-1 | ト短調 | 4 | 6分 | 1838 | 
| 第12番 | Op.37-2 | ト長調 | 8 | 6~7分 | 1838 | 
| 第13番 | Op.48-1 | ハ短調 | 9 | 6分 | 1841 | 
| 第14番 | Op.48-2 | 嬰へ短調 | 6 | 7~8分 | 1841 | 
| 第15番 | Op.55-1 | へ短調 | 6 | 5~6分 | 1843 | 
| 第16番 | Op.55-2 | 変ホ長調 | 10 | 5分 | 1843 | 
| 第17番 | Op.62-1 | ロ長調 | 8 | 7~8分 | 1845~1846 | 
| 第18番 | Op.62-2 | ホ長調 | 7 | 5~6分 | 1845~1846 | 
| 第19番(遺作) | Op.72-1 | ホ短調 | 5 | 4分 | 1827~1830 | 
| 第20番(遺作) | B.49 KK.IVa-16 | 嬰ハ短調 | 4 | 4~5分 | 1830 | 
| 第21番(遺作) | B.108 KK.IVb-8 | ハ短調 | 3 | 3~4分 | 不明 | 
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