ノクターン第6番(ショパン)
ノクターン第6番作品15-3 ト短調は、1833年ごろにショパンによって作曲されました。
全体的に地味な印象ですが、ときどき聴きたくなります。
月が綺麗な夜に聴くのがいいムードを醸し出します。
夏場に夜風に当たりながら、海に浮かびながら聴きたいです。ほとんど不可能だという点を除けば完璧だと思います。
曲の構成
第1部
冒頭は特に難しくはありませんが、フォルテだからといってそこまで強くしないほうがいいでしょう。
全体的に静かなイメージですから、ガンガン弾くのはムードをぶち壊します。
テンポはまあまあ揺らしても大丈夫です。rubatoの拡大解釈かもしれませんが。
第2部
sotto voceから第2部スタートです。
第1部から引き続き静かなイメージを保ったまま進んでいきます。
アクセントやsfとかsfzは言うほど強くする必要はありません。
むしろテヌートの意識で音を気持ち重たくするぐらいのタッチで弾いたほうがよいです。
第3部(前半)
第2部の終わりまではそこそこテンポも強弱も揺らしますが、ここからは完全に静かな世界。
religiosoの名前の通り、宗教曲、例えばKyrieとかGroliaとか歌うような感じですね。cantabileよりも厳かに。
第3部(後半)
この曲の難関ポイント。
楽譜では4→5→5と指示されていますが、ペダルを使わないと音がつながりません。
小指をスライドさせれば何とかつながりますが、高度なテクニックです。私はできません。
ペダルを使わないなら、3→4→5と指使いを変えたほうがよいでしょう。
まあ、これでもそこそこ難しいですが、ペダルを使わないほうが雰囲気は出ます。
最後はペダルに頼っても大丈夫ですが、浅く踏んだほうがよいです。
難易度
第3部前半までは易しい。第3部後半はやや難しい。
演奏時間
4分から5分程度。人によっては6分ぐらいで演奏する人もいる。
私の演奏動画
第3部から遅くし過ぎた感があります。もう少しスピードアップしてもよかったかも。
ショパンのノクターン一覧
作品番号 | 調性 | 難易度(10段階) | 演奏時間 | 作曲された年 | |
---|---|---|---|---|---|
第1番 | Op.9-1 | 変ロ短調 | 5 | 5~6分 | 1830~1831 |
第2番 | Op.9-2 | 変ホ長調 | 4 | 4~5分 | 1830~1831 |
第3番 | Op.9-3 | ロ長調 | 7 | 7分 | 1830~1831 |
第4番 | Op.15-1 | ヘ長調 | 6 | 4分 | 1830 |
第5番 | Op.15-2 | 嬰ヘ長調 | 5 | 4分 | 1830 |
第6番 | Op.15-3 | ト短調 | 3 | 4~5分 | 1830 |
第7番 | Op.27-1 | 嬰ハ短調 | 7 | 5~6分 | 1835 |
第8番 | Op.27-2 | 変ニ長調 | 8 | 5~6分 | 1835 |
第9番 | Op.32-1 | ロ長調 | 4 | 4~5分 | 1836~1837 |
第10番 | Op.32-2 | 変イ長調 | 7 | 5~7分 | 1836~1837 |
第11番 | Op.37-1 | ト短調 | 4 | 6分 | 1838 |
第12番 | Op.37-2 | ト長調 | 8 | 6~7分 | 1838 |
第13番 | Op.48-1 | ハ短調 | 9 | 6分 | 1841 |
第14番 | Op.48-2 | 嬰へ短調 | 6 | 7~8分 | 1841 |
第15番 | Op.55-1 | へ短調 | 6 | 5~6分 | 1843 |
第16番 | Op.55-2 | 変ホ長調 | 10 | 5分 | 1843 |
第17番 | Op.62-1 | ロ長調 | 8 | 7~8分 | 1845~1846 |
第18番 | Op.62-2 | ホ長調 | 7 | 5~6分 | 1845~1846 |
第19番(遺作) | Op.72-1 | ホ短調 | 5 | 4分 | 1827~1830 |
第20番(遺作) | B.49 KK.IVa-16 | 嬰ハ短調 | 4 | 4~5分 | 1830 |
第21番(遺作) | B.108 KK.IVb-8 | ハ短調 | 3 | 3~4分 | 不明 |
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