ノクターン第2番(ショパン)
ノクターン第2番作品9-2はショパンの一番有名なノクターンであり、1830年から1831年にかけて作曲されました。
単に「ノクターン」というと、一般的にはこの第2番を指しますね。
私もこのノクターンから始めました。有名っていいですよね。
ChatGPTに「有名なノクターン」質問すると
ショパンのノクターンで一番有名な作品は、Op. 9、No. 2です。これは、美しい旋律と優雅な雰囲気で知られる作品で、多くの人々に親しまれています。
と返ってきます。
予想通りの答えですね(笑)。
聴きどころについても聴いてみても、
特に、冒頭から現れる柔らかく優雅な旋律や、情熱的な中間部分、そして再び穏やかに戻る終盤の部分など、全体的にその美しさと感動を味わうことができます。また、ショパンの音楽は感情豊かな表現が特徴であり、この曲でもその豊かな感情表現を楽しむことができます。
とありきたりな答え。
ChatGPTは音楽に関してはまだまだのようですね。
曲の構成
第1部
初っ端はあの有名な旋律から始まります。
とにかく静かな印象を大事にしましょう。
ちなみに速度表記の八分音符132で演奏している人を見かけたことがありません。おそらく速すぎると感じるのでしょう。
実際には大体92から100ぐらいで演奏する人が多いでしょう。
変ロ長調の部分も有名ですよね。
poco ritard.はあまり遅くしなくていいです。
それよりTempo Iでしっかり速度を戻してから、若干加速する勢いで弾くと、雰囲気が出ます。
poco rall.ではしっかり緩めましょう。
第2部
そして第2部は第1部よりも音符が細かくなります。
8分音符1個分でペダルを細かく切り替えていくと、音が濁りにくくなります。
4拍3連のところはpoco ritard.が付いているバージョンと付いていないバージョンがあります。
私が購入した楽譜には付いていませんでしたので、編集者の解釈によるところでしょう。
なので、言うほど遅くする必要はないでしょう。
その後のフォルテは最初よりも強くしたほうがいいですね。
聴く人を退屈させたら負けです。
そして、2回目のTempo Iではさらに音符が細かくなります。
まあ、慌てなければどうということはありません。
32音符が当たり前のように出てきますが、実は5連符+5連符なので、落ち着いて見ていけば大丈夫です。
指番号も編集者によって解釈が違うので面白いです。
私は緑の指使いで演奏しています。
終盤
終盤に来ると一気に静かになります。
pやppでも右手はしっかり聞こえるように、でもうるさくならないようにを意識したほうがいいですね。
あと左手の和音はうるさくなりがちなので、音量を抑えたほうがきれいに聞こえます。
pp地帯のアクセントはテヌートで書いてあるバージョンもあるので、テヌートと思って弾いたほうがいいですね。
そして、8拍3連はうまいこと配分してください。これは慣れあるのみです。
con forza.からのstrettoはフェルマータに向けて勢いよく演奏していったほうがよいです。
ちなみにsenza tempoのsenzaは「なしで」という意味なので、速さを意識しないという意味になります。
フェルマータまで加速していくと捉えたほうがよいでしょう。
フェルマータが終わると、細かい動きになります。
青枠で囲ったところは12回です。頭で考えるのではなく指で覚えましょう。
最後のppに差し掛かる前に、絶対にペダルは踏みかえること。
そしてフェルマータまで同じE♭の和音なので、余韻に十分浸りましょう。
これで以上です。
難易度
比較的易しいほうです。
ピアノを習ってからある程度上達した方なら、弾きやすいかと思います。
演奏時間
約4~5分ですが、人によってまちまちです。
最近(2024年)の傾向は4分程度と快速運転です。
実際に演奏してみた
私の演奏です。快速運転を通り越して、特急ぐらいになっています。
ショパンのノクターン一覧
作品番号 | 調性 | 難易度(10段階) | 演奏時間 | 作曲された年 | |
---|---|---|---|---|---|
第1番 | Op.9-1 | 変ロ短調 | 5 | 5~6分 | 1830~1831 |
第2番 | Op.9-2 | 変ホ長調 | 4 | 4~5分 | 1830~1831 |
第3番 | Op.9-3 | ロ長調 | 7 | 7分 | 1830~1831 |
第4番 | Op.15-1 | ヘ長調 | 6 | 4分 | 1830 |
第5番 | Op.15-2 | 嬰ヘ長調 | 5 | 4分 | 1830 |
第6番 | Op.15-3 | ト短調 | 3 | 4~5分 | 1830 |
第7番 | Op.27-1 | 嬰ハ短調 | 7 | 5~6分 | 1835 |
第8番 | Op.27-2 | 変ニ長調 | 8 | 5~6分 | 1835 |
第9番 | Op.32-1 | ロ長調 | 4 | 4~5分 | 1836~1837 |
第10番 | Op.32-2 | 変イ長調 | 7 | 5~7分 | 1836~1837 |
第11番 | Op.37-1 | ト短調 | 4 | 6分 | 1838 |
第12番 | Op.37-2 | ト長調 | 8 | 6~7分 | 1838 |
第13番 | Op.48-1 | ハ短調 | 9 | 6分 | 1841 |
第14番 | Op.48-2 | 嬰へ短調 | 6 | 7~8分 | 1841 |
第15番 | Op.55-1 | へ短調 | 6 | 5~6分 | 1843 |
第16番 | Op.55-2 | 変ホ長調 | 10 | 5分 | 1843 |
第17番 | Op.62-1 | ロ長調 | 8 | 7~8分 | 1845~1846 |
第18番 | Op.62-2 | ホ長調 | 7 | 5~6分 | 1845~1846 |
第19番(遺作) | Op.72-1 | ホ短調 | 5 | 4分 | 1827~1830 |
第20番(遺作) | B.49 KK.IVa-16 | 嬰ハ短調 | 4 | 4~5分 | 1830 |
第21番(遺作) | B.108 KK.IVb-8 | ハ短調 | 3 | 3~4分 | 不明 |
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