ノクターン第18番(ショパン)

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ノクターン第18番ホ長調作品62-2は、1846年ごろにショパンによって作曲されました。
いちばん最後に作曲されたノクターンだと言われています。
この後に遺作3曲が控えています。若い頃に作ったけど、何らかの理由で出版しなかったのでしょう。

優雅な穏やかな感じの曲調ですが、中間部は激しくなります。
草原を歩いていて、徐々に岩山に入るような感じです。
これぐらい差がないと物足りないですね。

曲の構成

最初


前半部分の最初です。すごく穏やかな部分です。夢の中で草原を歩いている感じですね。
右手はオーボエ、左手は弦楽のような音色で弾けるとgoodです。


穏やかなんだけど、ちょっと不安定なところがショパンらしさです。
黄色マーカーのところは親指から小指へ素早く入れ替えてください。
Lentoとだいぶ遅いので、慌てなくても間に合うはずです。


2回目は音符が細かくなります。緑線を基準にしていくと合わせやすいです。
臨時記号で忙しいですが、これは慣れるしかありません。

そして2段目のところから左手は16分音符のラッシュです。
ここは粒を目立たせる必要がありますが、うるさくなってはいけません。
なかなか難しいですが、静かに動いていきましょう。


赤丸してあるところは勢いだけでいくと、シャープをつけたくなります。
ちょっと妖しい雰囲気を出したいので、ナチュラルのままのほうがいいというのはショパンの考えでしょう。

中間部

ChatGPTにも聞いてみましたが、細かく質問したほうがいいですね。

ノクターン第18番Op.62 No.2の中間部は、曲全体の感情的な高揚や深化をもたらす重要な部分です。この部分の魅力はいくつかの要素によって成り立っています。

  1. 情緒的な表現: 中間部では、曲の雰囲気が一変し、より情緒的で内省的な要素が強調されます。ショパンの独特な旋律やハーモニーが、聴衆の感情を引き込みます。メロディの美しさや和音の柔らかさが、聴衆の心に深い感動を呼び起こします。
  2. 力強さと繊細さのバランス: 中間部では、力強さと繊細さのバランスが重要です。情熱的な表現と優雅な表現が交錯し、聴衆に深い印象を与えます。強弱やタッチの微妙な変化が、曲のダイナミズムを豊かにします。
  3. 音楽的な展開: 中間部では、曲の展開が進みます。新しいメロディや和音が導入され、曲の物語性がさらに深まります。ショパンの作曲技法の巧みさがここで発揮され、聴衆を引き込む魅力的な音楽的な旅に導きます。
  4. 情緒の高まりと解放感: 中間部のクライマックスでは、情緒の高まりがピークに達し、その後の解放感が楽曲全体を印象づけます。熱情的なフレーズや力強い和音が、聴衆に感情的な満足感を与えます。最後の落ち着いた部分への移行が、曲の感情的なアークを完成させます。

これらの要素が組み合わさり、中間部はノクターン第18番Op.62 No.2における感情的なハイライトとなっています。

ChatGPTから引用


agitatoから中間部に入ります。
まずは平行調の嬰ハ短調です。そして、その属調の嬰ト短調に転調します。
1~2小節ですぐ転調して忙しいので、臨時記号をよく見ていきましょう。

イングリッシュホルン(簡単にいえばオーボエの仲間)のように演奏しましょう。
真ん中のパートは全部右手です。左手のほうにも入っていますが、ラフマニノフでなければ物理的に不可能です。
必然的に3-4-5でメロディを奏でることになりますが、指が弱いとここはどうにもなりません。
ショパンのエチュード作品10第2番で特訓しましょう。

黄色のマーカーしてあるところは是非とも聴かせたいところです。
1拍ずれたカノンですね。この微妙なズレがいいんですよ。
これを聴かせてなんぼです。この後にも2か所ありますので、同様に。


装飾音符は速いですが、落ち着いて入れていきましょう。
よく転調しますので、臨時記号にも注意が必要です。

3段目の珍しい和音、重減7度(いちばん上といちばん下)の和音です。
減7度をさらに半音縮めたのが重減7度です。
楽典かサティのヴェクサシオンぐらいでしか見かけないやつです。
ちなみに上と真ん中は減3度です。これはたまに見かけます。

そしてマーカーしてあるところは是非とも聴かせるポイントです。
1拍のカノンというズレがいいんですよ。
大事な事なので2回言いました。


同主調であるホ短調、さらに平行調のト長調、属調の平行調のロ短調と忙しい転調です。
C-Dの和音は2音を親指で押さえます。隣の鍵盤なので差し支えありません。

そして黄色マーカーは(以下略)。

再現部


再現部は気持ちを落ち着かせて、音を弱めていきましょう。
慌ただしさから解放されて、今にも消えそうな感じですね。

コーダ


冒頭の後半部と似たような感じですね。
最後から5小節目のところは、よく見るとE→D→C→Bの動きになっているので、是非とも目立たせたいところです。

難易度

難しい

演奏時間

5分から6分程度

私の演奏動画

私の演奏動画はまだできておりません。
出来次第アップロードしますので、楽しみにしておいてください。

ショパンのノクターン一覧

作品番号調性難易度(10段階)演奏時間作曲された年
第1番Op.9-1変ロ短調55~6分1830~1831
第2番Op.9-2変ホ長調44~5分1830~1831
第3番Op.9-3ロ長調77分1830~1831
第4番Op.15-1ヘ長調64分1830
第5番Op.15-2嬰ヘ長調54分1830
第6番Op.15-3ト短調34~5分1830
第7番Op.27-1嬰ハ短調75~6分1835
第8番Op.27-2変ニ長調85~6分1835
第9番Op.32-1ロ長調44~5分1836~1837
第10番Op.32-2変イ長調75~7分1836~1837
第11番Op.37-1ト短調46分1838
第12番Op.37-2ト長調86~7分1838
第13番Op.48-1ハ短調96分1841
第14番Op.48-2嬰へ短調67~8分1841
第15番Op.55-1へ短調65~6分1843
第16番Op.55-2変ホ長調105分1843
第17番Op.62-1ロ長調87~8分1845~1846
第18番Op.62-2ホ長調75~6分1845~1846
第19番(遺作)Op.72-1ホ短調54分1827~1830
第20番(遺作)B.49 KK.IVa-16嬰ハ短調44~5分1830
第21番(遺作)B.108 KK.IVb-8ハ短調33~4分不明

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ノクターンの楽譜はこちら


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エキエル版はコアなファン向け。ショパンの考えに忠実に楽譜にしてあります。

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