永田孝志さんはアクートという言葉を使わない

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最後に動画で「アクート」という言葉を使ったのは、もう5か月ほど前です。
3月28日のこの動画で語っていました。

ここ最近では単に高音域と言っていますね。

そもそもアクートとは?

高音域を出すときに必要な技術です。

世間では、頭のてっぺんから声を軽く出すようなイメージでとらえられています。
高音域を出しやすくするために、眉毛を釣り上げて、口を大きく開けます。

これだけの情報だと、条件が不十分です。
中音域が不十分だと高音域に全くつながりません。

中音域の段階で、苦しさの力と笑いの力が強く拮抗しなければなりません
高音域では、苦しさと笑いのほかに、せっぱ詰まった狂った感覚が必要です。

アクートという言葉がモダン歌唱の理論に基づくものだからでしょう。

低音域と中音域を息の勢い任せに発声して、高音域までその発声で行くと喉を壊します
高音域に入るときに発声そのものを不自然に変えるというのが、モダン歌唱におけるアクートの概念でしょう。

発声が不自然に変われば、顔の表情も不自然になります。
わざとらしい表情になるのは、必然です。

永田孝志さんは最近アクートという言葉を使わない理由

全ての音域で顔の表情をほとんど変えずに発声することを、永田孝志さんは強く要求しています。

音域ごとに力の使い方が変わるものの、低音域から中音域、中音域から高音域に移り変わるところで、不自然に発声を変えません。
一本の線でつながったように聞こえます。
それぞれの音域でクリアに聞こえるようになります。
音量を上げてもうるさくないし、下げても普通に聞こえる

この発声だと喉や声帯には負担が少ないですが、腰や背中、うなじのところがすごく緊張します。
とにかく力を拮抗させるからです。
黄金期ではそれが当たり前でした。

身に付くまですごく大変です。
10年ぐらいかかると考えたほうがよいでしょう。

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