キャッシュレスの末路

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中国でもキャッシュレス政策が広がっていますが、キャッシュレス政策を真っ先に普及させたのはスウェーデンです。
私はキャッシュレスを現代の鎖国政策と考えましたが、その読みは外れました。

海外の人が簡単に買い物できないようにするという建前だと思っていました。
どうやらそれは違ったようです。
もっと恐ろしい意味が込められていました。

キャッシュレスは監視システムである
と。

キャッシュレスの建前

キャッシュレスとは文字通り現金で取引しないということです。
取引を主にQRコード(中国ではもはや時代遅れになりました)やクレジットカードでするものです。

個人番号との結びつき

キャッシュレスには、
個人番号と銀行口座を結びつけることにより、税金の滞納を防ぎ、反社会的組織の撲滅を目指す」
という建前がありますが、これでマフぃアやヤ〇ざなどのような組織が撲滅されたかどうかは怪しいです。
個人番号制度(通称マイナンバー)が始まるときに、Twitterでも上のような言説が飛び交っていましたね。

信用スコアとの結びつき

もう一つは信用スコアとの結びつきがあるでしょう。
これも反社会的組織の撲滅を目指すという建前があります。
「お行儀よく品行方正に健康的な生活を目指す」という目標ですね。
信用スコア健康的な食事(野菜が多く、肉類や油類が少ない食事)や筋力トレーニングなどをすればスコアが上がります。
逆に、ジャンクフードばかり食べていたり、インターネットでオンラインゲームばかりしていればスコアが下がるというものです。
お買い物の傾向で政府はそれらをのぞき見するというわけです。

日本に導入されたら、外食産業は野菜がほとんどない(野菜のような何かはたくさんある)ので、庶民のスコアはだだ下がりで一部の特権階級の人しかスコアが上がらないという事態になるでしょう。

キャッシュレスの浸透

キャッシュレスをどうやって浸透させるかについて、見ていきましょう。

「紙幣や硬貨は雑菌が多くて汚い。だけど、キャッシュレスにすれば現金を使わないで済む。雑菌からの解放だ」と。
まあ、私には何を寝ぼけたことをいっているんだとしか感じません。

まあ、スーツを着たの太っちょおじさん(失礼なこと言ってごめんなさい)がいっていたら、誰も聴く耳を持ちません。
ここで芸能人を起用するのです。
きれいなお姉さんとかかっこいいお兄さんとか、一瞬目を奪われる人に言わせるのです。
「現金を探している時間って無駄だと思いませんか?キャッシュレスにすればそれらは解決されます」
とさっきの雑菌からの解放と一緒に言わせるわけです。
そうすると、あーら不思議。なんか説得力があるように思いませんか?

でも実際のところ、スマートフォンのほうが圧倒的に雑菌が多いのに、まるでスマートフォンは抗菌加工されたもののように聞こえますでしょ?
そうやってキャッシュレスが浸透されてきたのです。スウェーデンでも中国でも。
駅できっぷを買うにも、駄菓子屋でお買い物をするにも、現金ではなくクレジットカードがないと買えないという事態になっております。

キャッシュレスの末路

キャッシュレスと信用スコアが結びつくと、健康的な買い物をしていればスコアが上がることがわかるので、一見福祉に結びついた政策のようですが、実はそうではありません。
キャッシュレス政策を実施するためのお金の出所って、どこからかわかりますか?

私たちの血税
です。
税金を注ぎ込んで開発しているというわけです。
簡単にいえば、自由権の侵害する検閲システムのために、税金が使われています。
庶民はもっともっと政府に対して怒るべきです。
「我々は政府を監視する立場なのに、監視されてたまるか!」と。

キャッシュレスを浸透させれば浸透させるほど、監視システムの開発に税金がかかります。
しかし、お金は無限ではありません。
その予算(税金)を別のところから引っ張ってこなければなりません。
別の部分を削減しなければなりません。

こういう予算削減のターゲットにされやすいのは、教育福祉です。
教育は10代から20代の若者で、福祉は高齢者です。
政府は「20代までの若者や高齢者が税金を食いつぶしている」と言うわけです(本当は政府が無駄遣いしているくせに)。

だけど若者をターゲットにしてしまっては「未来を潰す気か!」と猛反対に遭います(政府は実際のところ少子化を推進しているのですが)。
高齢者だったらもう死ぬのは時間の問題(失礼しますた)なので、いちばんターゲットになりやすいです。
「高齢者(ただし庶民に限る)が増えすぎて、税金を食いつぶしている状態だ」と。
これを芸能人に言わせるのです。30代や40代ぐらいの働き盛りの人たちに。
それに我々庶民は悲しくも同調してしまうわけです。
そして、高齢者の福祉が削減されてしまうというわけです。

福祉に税金を使っているスウェーデンでもそれは例外ではありません。
キャッシュレスを浸透させすぎて、もう他のところから税金を引っ張ってこなければならない事態になったわけです。
福祉を削るという選択をせざるを得なくなりました。

【2月8日 AFP】スウェーデンのフレデリック・ラインフェルト(Fredrik Reinfeldt)首相は7日、75歳まで働き続ける可能性に備えるよう国民に求めた。スウェーデン紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)とのインタビューで語ったもので、企業にも55歳を超えた人々に雇用の機会を開くよう求めた。

 中道右派連合政権を率いるラインフェルト首相は、高福祉国家として知られるスウェーデンでも高齢化が進んだ結果、退職年齢の引き上げなしには年金制度が立ち行かなくなると述べ、50歳以上の雇用の考え方を改め始める必要があると訴えた。 

 スウェーデンは柔軟な定年制度をとっており、61歳で年金を受給し始めるか、67歳まで働き続けるかを労働者自身が選択できる。スウェーデン統計局(Statistics Sweden)によると、2010年に65歳以上のスウェーデン国民のうち7.8%が仕事に就いていた。

 英国、北欧、バルト諸国の首脳が参加して高齢者の就業と女性の起業の促進などについて話し合うフォーラムの開幕を翌日に控えたラインフェルト首相は、平均寿命の伸びに伴ってなんらかの対策が必要だと指摘。年をとって現在の仕事を続けるのが難しくなったときには、年金生活に入るのではなく、体力が弱ってもできる仕事に就くことも検討すべきだと述べた。高齢者が教育機関で職業訓練を受けやすくすることも選択肢の1つとして浮上している。

 ラインフェルト首相の発言に対して、労働組合などから強い反発の声が上がった。国内で最も強い影響力がある「スウェーデン全国労働組合連盟(LO)」は同日、現在の平均退職年齢が約64歳であることを考えると、75歳まで働き続けることなど無理だとウェブサイトで反論した。その一方で、職場環境が改善されれば労働者の健康が保たれ、今よりも長い期間にわたって働き続けられる可能性があると付け加えた。(c)AFP

スウェーデン首相、「75歳まで働いてほしい」 高齢化で年金ピンチ(AFP BB NEWS)から引用

本当に「高齢者が税金を食いつぶしている」のでしょうか?

高齢者が福祉サービスを受けられているおかげで、働き盛りの30代40代の人たちも教育を受けている10代20代の人たちも、暢気に自分の目の前のことに集中できています。
政府が「家族で助け合え」といって介護サービスを削りまくると、家族の誰かが付きっきりになって、職場にも学校にも満足に通えなくなるでしょう。

最後に

キャッシュレスって便利ですけれど、行き過ぎると他のものが犠牲になります。
現金をある程度持っておいたほうが安心ですね。
時代には逆行しますが。

サイゼリヤが現金しか受け付けないというのは、「キャッシュレスに対する抵抗」でしょう。