資本主義が良くて社会主義が悪い?

よく巷では「資本主義は善で社会主義は悪」のように言われます。
「社会主義だとみんな分け前が平等で、能力のある人はやる気が出なくなるからいけない。
資本主義だったらそれは起こらないからよい」
という感じですね。

何にでも当てはまるかのように言われています。

資本主義と社会主義の違い

そもそも、資本主義と社会主義の違いとは何でしょうか?

資本主義

資本主義のシステムは、自由競争の考えに立脚しています。すなわち、企業や個人が自由な経済活動を行い、それぞれの利潤を追求することで、社会全体の富や利益も増大するという考えです。その経済活動に際して、必要な土地や機械、設備などの資産は私有することができ、そうした資産を持たないものは、自身の労働力を提供して賃金を得ることができます。

資本主義でもう一つ重要なポイントが、国家が市場に介入しないということです。商品の需要と供給を自然の流れに任せることで、市場のバランスが保たれ、最適な価格や流通量が決定するとされています。社会人の教科書から引用

行政が市場に一切介入せず、所有権の絶対性を認める
ということが資本主義の大きなポイントです。

所有権の絶対性とは、簡単に言えば、
個人が物を持っていたら、それをどのように扱ってもよいということです。
自分で大切に所有するのもよし、
飽きてきたら、売ってしまったり誰かに渡したりしてもよい。
さらに乱暴に言えば、壊してしまってもよいです。

資本主義社会では、以上のようなことが認められています。

社会主義

社会主義とは、資本主義に対抗する制度を掲げた思想です。資本主義は、前述のように個人所有や自由主義経済を前提としていますが、社会主義はそれを否定する立場にあります。
資本主義が浸透した社会は、経済が活発になり、富が蓄積されるというメリットの一方で、所得格差が増大して貧富の差が広がるというデメリットもあります。社会主義は、こうした資本主義の弊害を正そうとする思想で、私有財産を禁じ、社会による生産手段の共有を目指すものです。そのようにして富の再分配を行うことで、全ての人が平等な社会を築こうという考えとなっています。社会人の教科書から引用

こちらは資本主義とは違って、所有権の絶対性を認めません。
物を扱う際に、政府のお伺いを立てなければなりません。
認めるか認めないかはすべて、政府のさじ加減で決まるということを意味しています。

資本主義が良くて社会主義が悪い?

資本主義は絶対に「自分のもの」といえるが、社会主義では全部政府に管理されて「自分のもの」は存在しない。
短絡的に考えれば、市場にも介入して政府にいちいちうるさく言われなくて、自分の所有権を主張できる資本主義がいいといえるかもしれません。
また、儲かった分をそのまま使えるし、その分でまた設備投資ができるから嬉しいと思えるかもしれません。
社会主義だったら、能力があっても十分な給料がもらえなくて、やる気が下がるから嫌だと思うかもしれません。

そこから、「資本主義が良くて社会主義が悪い」という二分思考になるのも無理はありません。

資本主義を適用すべきところ

市場(しじょう)では、「資本主義が良くて社会主義が悪い」という考え方は十分にあてはまります。
政府が誰かしらの自由権(表現の自由や職業選択の自由など)を侵害していない限り、
企業に介入してあれこれうるさく言うのは、あってはなりません。

唯一政府が介入するとしたら、一企業が独占状態になるのを防ぐためにそういった規制を敷く場合があります。
独占状態だと、需要に関わらず値段が急速に吊り上がっていくからです。
そして本当に必要な人にモノが行き渡らないという状態になります。
独占を防ぐために企業に規制をするのはありだと思います。
それぐらいですかね。

私は、市場に対しては資本主義システムを絶対に適用しなければならないと考えています。

社会主義を適用すべきところ

逆に、「資本主義が良くて社会主義が悪い」という考えを適用してはいけないのは、公共財に対してです。
行政サービスを企業に任せたら、企業は利益を追い求めるので、採算がとれないところはどんどんやめていきます。
例え公共性を担保しなければならないことであっても、容赦なく縮小したり廃止したりします。利益にならなければしょうがないですからね。

公共財に対しては、企業や個人の私有を禁じて、行政が徹底的に管理しなければなりません。
水道や電気、ガス、道路などは誰もが使うものですから、いつでも使えるようにしなければなりません。
使えなければそのまま死に至りますから、命に直結するものは市場競争の材料にしてはいけません。

公共性を担保するものに関しては、社会主義システムでなければなりません。

新自由主義と新保守主義

自由主義や保守主義とは似て非なるものです。
これらは

  • 市場経済:社会主義システム
  • 公共財:資本主義システム

になっていて、市場では既得権益のある人だけしか経営できないようになっていて、
公共サービスもお金や能力のある人だけが使えないようになっているものです。
お金や能力もない人たちは容赦なく切り捨てられます。

郵政民営化や水道民営化は、本来ならば社会主義的なシステムで政府が管理しなければならないところ、一企業に任せて利益追求になってしまっています。

最後に

「資本主義が良くて社会主義が悪い」という考え方はすべてに適用できるわけではなく、
市場経済にのみ適用できる考えだといえます。

公共性を担保しなければならないものについては、社会主義システムでなければなりません。

要するに資本主義も社会主義も、どちらがよくてどちらが悪いかに集約される話ではなくて、どちらも必要だといえます。

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