ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」(ショパン)
ワルツ第1番変ホ長調作品18は、1831年ごろにショパンによって作曲されたワルツです。
「華麗なる大円舞曲」という別名でよく知られていますね。
ノクターン第2番や英雄ポロネーズと並んで、ショパンの名曲集に必ずといっていいほど入っていますね。
私がショパンの曲を覚え始めたころには、この曲にも触れていました。
曲の構成
最初
オーケストラのような盛大さがこの曲には必要です。
最初のB♭はトランペットのようにきらびやかに弾きましょう。
そして右手のメロディは弦楽器のように、左手の和音はホルンのように、音色を弾き分けられるとgoodです。
有名な曲なので音色の違いを出せると、聴衆たちは満足してくれるはずです。
特にマーカーしてある音はメロディと音色を分けられるようにしましょう。
若干弱めにするとよいです。
第1の難関ポイント。比較的早いスピードで同じ音を連打するのは難しいです。
なるべく同じテンポを保ったまま動かなければなりませんので、特に訓練が必要なところです。
中間部1
フラットが5つで変ニ長調になります。調号も♭ばかりで読みにくい人には読みにくいですが、ショパンの曲では調号が多い曲が多く出てきますので慣れておきましょう。
右手のメロディは弦楽器のように、A♭連打はトランペットのように弾きましょう。
音符ごとに音色が違うので、単純なようで奥深いところです。
強弱の対比をしっかりつけてください。
この部分ではベートーヴェンやモーツァルトのピアノソナタぐらい対比をはっきり現したほうがいいです。
段階的ではなく急な変化がよいです。強くなったと思ったら弱くなって、弱くなったと思ったら急に強くなるという変化にしたほうがいいです。
dolceではriten.が付いているので、この2小節に限りゆったりと弾くのがよいでしょう。
中間部2
この部分は明るく活発に弾くところです。軽やかに弾くのがいいでしょう。「
マーカーしてあるD→E♭の移動はしっかり聞こえるよう、他の和音よりも少し強くしたほうがいいです。
弦楽器のピッツィカートといきなり専門用語出されても分からない人がいると思いますが、弦を指ではじく演奏のことを指します。
つまり、ペダルは最小限にやさしく跳ねるようにして弾くとよいです。
ヨハン・シュトラウス2世とヨゼフ・シュトラウスが作曲した「ピッツィカート・ポルカ」の感じです。
中間部3
中間部2とは対照的に、こちらは静かに大人しい感じで弾きましょう。
変ト長調らしく落ち着いた雰囲気が出るといいですね。調性まで考えるとgoodですが、慣れたらでいいです。
クラリネットの音を意識するといいです。低音から高音まで豊かな音色で弾きましょう。
再現部に差し掛かる前のffではオーケストラのユニゾン(全パート同じ音を出す)を意識するといいでしょう。縦を何が何でもそろえましょう。
再現部
再現部ではまた変ホ長調に戻ります。
オクターブがよく出てきますが、縦を揃えると響きが格段によくなりますので、是非ともそろえましょう。
1小節の休符で無音を作ってください。
というかこの無音なしにこの曲は語れません。音が急に消えるからこそいい音楽になります。
a tempoでピアニッシモになりますが、ここは終盤のコーダに向けて力をためていきます。
最初は大人しめにして、徐々に力を開放していく意識です。
コーダ
このフォルティッシモでようやく力を開放しましょう。
RPGでラスボスが第2形態とか第3形態とかになるようなものです。
比較的速めのテンポで連打がまた出てきます。
ここまでくると疲労が出てくると思いますが、もう少しの辛抱です。
焦りとの闘いですが、とにかく同じテンポを維持してください。速くなりがちですが、ここは我慢です。
右手はフルートあるいはピッコロのような軽い音色で音を駆け上がっていきます。
左手も最後のffまで音を徐々に軽くしていく感じです。
最後のffは堂々と弾いちゃってください。明るく盛大に終わりましょう。
かなり有名な曲なので集中力をかなり必要としますが、この曲に触れたことがない方は是非とも弾いてみてください。
難易度
やや難しい
演奏時間
5分程度
私の演奏動画
演奏動画はまだできておりません。
出来次第アップロードしますので、楽しみにしておいてください。