A=440Hzが一番?

チューニングを440Hzとか442Hzとか宗派で分かれているそうです。
そんな議論は私にとっては無駄だと思います。

そもそも、440Hzとか442Hzとかって何の数字という人のために説明します。
ピアノの真ん中のド(C)より上のラ(A)の音がどんな周波数に合わせるかを決める数字です。

私は、440Hzは好きではありません。
440Hzが合う曲が正直ピンときません。
440Hzについて考えるのをやめました。

音声を聴きながら読んでください。

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440Hzと442Hzが一般的

電子ピアノの初期設定だと440Hzで、コンサートホールのピアノは442Hzに合わせてあります。

絶対音感を持っていると言う人はだいたい440Hzか442Hz基準です。
他のチューニングになると気持ち悪くなるらしいです。

もう一つ、バロックチューニング、415Hzもわりと一般的です。
440Hzや442Hzよりも半音下がったように聞こえます。
バッハの時代は415Hzが一般的でした。

周波数ごとの音色

以下の順番で、周波数ごとの音色について紹介していきます。

  1. 415Hz
  2. 420Hz
  3. 424Hz
  4. 428Hz
  5. 432Hz
  6. 436Hz
  7. 440Hz
  8. 442Hz
  9. 444Hz
  10. 446Hz
  11. 448Hz
  12. 450Hz

415Hz

別名バロックピッチとも呼ばれています。
バロックといえば、バッハが有名ですね。

バロック時代の宗教曲を聴いていると、たまにこのチューニングで演奏している合唱団があります。
お行儀のよい感じに聞こえます。
敬虔なカトリック教徒の子羊のようなお行儀のよい音楽という印象です。

パワフルさはありません。というか嫌われる感じです。

音声で私が演奏している曲

バッハ:インヴェンション第1番 ハ長調

420Hz

バロックピッチよりは少し高いです。
半音よりは少し高い感じです。4分の1音ぐらいかな。

バロック時代よりはお行儀の良さが少し小さくなって、その代わり音が鋭くなった感じです。
厳格だけれども人間の欲が出ている音色だと思います。

420Hzが合う作曲家といえば、ハイドンですね。
バロック時代が終わり、古典派の初期です。
まだ貴族社会だけれど、音楽に欲を見せている感じが表れています。

音声で私が演奏している曲

ハイドン:ピアノソナタ Hob.XVI:35 ハ長調(第1楽章のみ)

424Hz

暗い音色です。
人間のドロドロした部分を思い切り出している感じです。

424Hzが合う作曲家と言えば、ベートーヴェンです。
ベートーヴェンの楽曲は、ドロドロした音色が似合います。
ベルリンフィルの444Hzのような華やかさは必要ありません。

音声で私が演奏している曲

  1. ベートーヴェン 交響曲第5番(運命) 作品67 ハ短調
  2. (第1楽章のみ)

  3. ベートーヴェン ピアノソナタ第8番(悲愴)第3楽章 作品13 ハ短調

428Hz

424Hzに比べて、少し華やかになります。
浮ついた感じの華やかさではなく、厳格さをすこし兼ね備えた感じの華やかさでしょうか。

この音色はショパンとかシューベルトの楽曲に合います。
あまりドロドロしていると暗すぎるし、リラックスしすぎてもいけないです。

音声で私が演奏している曲

  1. ショパン ポロネーズ 作品40-1 (軍隊ポロネーズ) イ長調
  2. シューベルト 楽興の時第3番 へ短調
  3. ブラームス ワルツ作品39-15 変イ長調

432Hz

人間の声に近い周波数だと思います。
合唱のときにピアノのチューニングを432Hzに合わせてほしいと思っているぐらいです。
そうでなければ、アカペラ曲を推奨します。

ヴェルディやロッシーニなど、オペラ全盛期のチューニングです。
「ヴェルディチューニング」とも呼ばれます。
人間の声が最大限に生かされます

癒しのチューニングとも言われますが、私は完全には肯定できません。
ロマン派以前だとちょっとうるさく感じます。

音声で私が演奏している曲

  1. ヴェルディ 『椿姫』より「乾杯の歌」 変ロ長調
  2. ビゼー 『カルメン組曲第2番』より「ジプシーの踊り」(Danse Bohème) ホ短調
  3. ビゼー 『カルメン組曲第2番』より「ハバネラ」 二短調

436Hz

432Hzのリラックスと440Hzの鋭さの中間です。
若干不安定な音色です。

この不安定さが、ゲーム音楽には合います。
436Hzが私のいちばん好きなチューニングです。
歌うときには使いませんが、現代音楽のピアノソロに積極的に使います。

音声で私が演奏している曲

  1. ZUN&上海アリス幻樂団 『東方妖々夢』より「ブクレシュティの人形師」
  2. ZUN&上海アリス幻樂団 『東方怪綺談』より「the Grimoire of Alice」
  3. ZUN&上海アリス幻樂団 『東方紺珠伝』より「永遠の春夢」
  4. ZUN&上海アリス幻樂団 『東方天空璋』より「クレイジーバックダンサーズ」
  5. ZUN&上海アリス幻樂団 『東方鬼形獣』より「偶像に世界を委ねて ~ Idoratrize world」
  6. ZUN&上海アリス幻樂団 『東方花映塚』より「六十年目の東方裁判 ~ Fate of Sixty Years」

440Hz

一般的なチューニングですが、音が鋭いです。
私には使いこなせません。
考えるのをやめました。

442Hz

440Hzに比べて少しだけ音が柔らかくなります
一般的なコンサートホールでのチューニングです。
合唱には使いたくないです。パッとしないから。

高揚感だけでなく、少しだけ緊張感が欲しいときには使います。
私は好みの音色ではありませんが。

音声で私が演奏している曲

ZUN&上海アリス幻樂団 『東方妖々夢』より「遠野幻想物語」

444Hz

高揚感をもった音色です。
428Hzは厳格さを兼ね備えた華やかさですが、こちらは浮ついた感じの華やかさですね。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の標準的なチューニングです。
ヘルベルト・フォン・カラヤンが最初に提唱したチューニングとも言われています。

ベートーヴェンの「運命」はこのチューニングだと華やかすぎて合わないと思います。

音声で私が演奏している曲

  1. ZUN&上海アリス幻樂団 『東方妖々夢』より「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」
  2. ZUN&上海アリス幻樂団 『東方妖々夢』より「天空の花の都」

446Hz

高揚感に緊張感が加わった音色だと思います。
ちょっと信用できない感じの、うさん臭い音色です。

東ヨーロッパのオーケストラでは、一部このチューニングで演奏しているところもあります。
あまり高すぎて聞き取りにくいです。

音声で私が演奏している曲

ZUN&上海アリス幻樂団 『東方妖々夢』より「ネクロファンタジア」

448Hz

緊張感を表した音色だと思います。
一歩足を踏み外せばちぎれてしまうぐらい、張りつめた空気が漂っているような印象です。

音声で私が演奏している曲

ZUN&上海アリス幻樂団 『東方妖々夢』より「幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life」

450Hz

448Hzよりも緊張感が強くなっています。
実際のバイオリンやピアノでは弦が切れるのではないのでしょうか?
そこまで高くチューニングしたことがないのでわかりませんが。

音声で私が演奏している曲

ZUN&上海アリス幻樂団 『東方妖々夢』より「ボーダーオブライフ」

最後に

長々と語りましたが、あくまでも私の考えです。
ぜひともチューニングを考えるときの参考にしていただければ幸いです。

みんなが440Hzや442Hzを使っているから、自分も使おうというのではなく、どういった音楽をしたいかによって決めたほうがよいです。

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