わざと偏った形で歌う場合もある

この記事はアフィリエイト広告を利用しています。

黄金期の歌い方は力強いし、柔らかさもあります。
歌う側はもちろんのこと、聴いている側も体力が必要です。

それぐらいエネルギーの高い声です。

最初のうちは、できなくて当然です。
変な声になって当然です。

広がる力と狭まる力の両方が必要になります。

だから、巷の似非オペラ発声のように無理やり口の奥を広げて歌う傾向のある人は、詰まった声で歌うのがよいです。
逆に声帯だけ過緊張になりやすい人はわざと広げて歌ったほうがよいでしょう。

あとは、鼻声の要素もうめく要素も必要になります。

日本の歌手は鼻声メインで作りますが、よくない傾向です。
しかし、そういった声も全否定してはなりません。
声帯が過緊張にならないために、鼻声の要素が必要になります。

うめく要素は高音域を出すときに必要です。
ちょっと怯えた表情で首の付け根から声を出すことを意識すると、少しは出しやすくなるかと思います。

RPGゲームとか格闘ゲームをやったことがある人ならわかるかと思いますが、キャラクターのステータスで考えてみて下さい。
強いキャラクターを作るときに、ステータスがあまりにも偏るとうまく戦えなくなります。

声の要素というのはキャラクターのステータスに近いものです。
それぞれの要素を伸ばしていって、最終的に声の魅力を作っていくという流れです。

巷で教えているのは残念ながらどれか一つに特化している形です。そのまま使うと、まともに歌になりません。

一番誤解されているのが、空間が広ければ広いほど声の響きが増えるというもの。
いわゆる「喉を開く」という誤解です。

あれは閉じる力(苦しむ力)と開く力(笑いの力)が拮抗して、最終的に喉が開いているという感覚です。

極端に声帯が過緊張になる人にのみ「空間を広げる」というのは有効になります。
(あまり長時間はやらないこと)

もともと広げる癖のある人が広げる方法ばかりやると、最悪声門閉鎖不全を抱えることになります。

全部の形について知らないと本当の上達というのはありえません。

最終的には全方位に力を使う感じです。
どこか偏ると声帯に負担がかかるので、極力偏らないで歌えるようにするというのが、黄金期の発声で一番重要なことです。

教えるほうも気長に指導できる人でないと、絶対に上達させることはできません。
「1週間で~ができる方法」のようなインスタント的な発想ではありません。

スタートラインに立てるまで、6~8年はかかる大変な発声です。
厳しさと暢気さの両方がないとマスターできないかもしれません。