若いうちは軽く歌え?

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音楽大学の声楽科のカリキュラムには
当たり前に書いてあります。

今回は
「若いうちは軽く歌え?」
です。

私は永田孝志さんのブログの愛読者です。
発声について、本当に理にかなったことについて
述べていますから。

よく音楽大学では
「若いうちはモーツァルトの曲を中心に軽く歌って、
 歳をとってからヴェルディやプッチーニに
 挑戦しましょう」
と言われています。

現在、世界中でもそうですが、
音楽大学で教えられている発声は
息の勢いに任せた歌い方です。
そして、表現は顔の表情に頼る。
眉間にしわが寄ります。

その歌い方だと、
20代で声帯をダメにする人が多いです。
声門閉鎖不全やポリープのように
音声障害を抱える人も出てきます。

40代でヴェルディやプッチーニに挑戦する前に、
もう歌う体力がないという状況です。

若い歌手に
「重い声は発声が悪いから、
 軽く歌いましょう」
なんてやっているから、
本物のバスが育ちません。

バスは本当に大変です。
ちょっとでも力の使い方を間違えたら、
声が変な方向に行きます。

私はバリトンですが、
それでも声の扱いにまあまあ苦労します。
私より重い声の人だったら、なおさらでしょう。

下手したらメゾソプラノやコントラルトや
バリトンも育っていませんね。
変に掘った声で歌っていますね。
体を脱力して口の奥を広げて、
いかにも「メゾソプラノっぽい声」や
「バスっぽい声」で歌う始末です。

それっぽい声が主流になって、
本物の安定した歌声が廃れている現状です。

インスタント主義というのが原因だとは思います。
巷には「楽に高音が出る」という発声法が
幅を利かせています。
確かに高音は出ますが、私の体感としては
「すごく不完全燃焼です」としか言いようがありません。

ヴェルディやプッチーニのアリアを見ていると、
そこまで無理やりな高音を要求することはありません。

あまり高音域になりすぎると、
発音ができなくなるからです。

しっかり強く発音ができる範囲で
高い音まで持っていくというのが
正しいやり方ではないのでしょうか?

正直私はテノールのhigh Fは邪道だと思っています。
出さないバージョンのほうがいいと思うぐらいです。
行き過ぎはダメです。

まあ、話を元に戻しますが、
若いうちから無闇に軽く歌うのは
あまりしないほうがよいと思います。

むしろ若いうちだからこそ、
あまり軽く歌わず、ちょっと硬い声を意識したほうが、
今後のためになります。

だって、この動画を見ても分かる通り、
20代でこれだけ埋まった声で歌っているんですよ。
軽く歌っていたら、このような声には一切なりません。