今日は昨日のつづき 三団体合同演奏会
2026年9月5日(土)。愛知県合唱コンクールで出会った大学時代の友人に誘われて、この合同演奏会に足を踏み入れました。もちろんチケットは正規の料金を支払いますよ。それはね、演奏を聴くものとして支払うべき対価ですから当然のことです。熱田に来たのはそんなに久しぶりじゃないような気がします。そう、地産地唱以来ですから、まあ、2か月ちょいですね。まるで直近のような感じです。
ここで合唱の感想を述べないところが私なんですが、ここに来る前に実は芸術文化センターの8階で白士会の絵を見に行っておりました。こちらはピアノサークルの人に紹介されて見に行ったんですが、日本画の立体感に圧倒されておりました。日本画の絵の具って独特の色味をもつんですよね。それと色を塗り重ねることで写真以上の出来栄えになるのが面白いです。

そのあとに同じ8階で書道も見ておりました。こちらも筆のタッチで作品の性格が大きく変わりますね。薄墨を使うものもあれば、筆に墨を多く含ませて書くものなど、筆者によって作品の出来栄えが違います。しかも同じ条件で二度作れないというところも面白いです。墨が垂れてくるところまで計算してできません。番付表の太さとは違う筆の使い方にただただ興味を持つばかりでした。書道に関してはときどき見たくなるんですよね。
絵画と書道を見てから熱田へ向かいました。
というわけで前置きはここまでにして演奏会の感想について述べていきましょう。
オープニング
Ola Gjeiloの「Prelude」です。字面だけ見たらどうやって発音したらいいかわからなかった人は多いでしょう。私はその一人です。「イェイロ」と初見で発音できた人はどれくらいいたでしょうか。それはさておき、全団合同で始まります。優しい響きで特に滞りなく終わったという印象です。パワーで押していくというよりは綺麗目にまとめるという特色に合った選曲だと思われます。
第1ステージ:Amorphous Emsemble
「Amorphous」とは液体でも個体でもない、いわばガラス状なんですよね。綺麗なんですけど、一歩間違えれば壊れやすい脆さをもっているんですよ。取扱注意です。ハーモニーの作り方が綺麗ですが、一歩踏み間違えればすぐすぐ崩壊する危うさも持っている。私にはそういうように見受けられました。この緊張感が好きです。聴いている側でこれを言うのは変ですが。
1曲目「T’amo, mia vita」はバランスよく、各パートの声が溶け込んでいますね。変に目立つこともなく宗教曲にはうってつけの声だといえます。2曲目「A un giro sol」も同様に、油断すると本当に眠ってしまいそうなぐらい心地よいです。私は眠ってしまったら感想をまとめることができないので、もちろん起きていますが。
3曲目「Os justi」はちゃんと流れてはいましたが、休符でもう少し溜めを作ってくれると面白かったです。最後「Alleluja」のユニゾンが揃っていて曲に締まりが出ていますね。
前半は特に問題なくといいますが、後半はどうしても私は欲張ってしまいますね。演奏自体に文句はないんですけど、4曲目「Ubi caritas」は本当にきれいな教会音楽として成立してるんですが、私の好みはもう少しテノールが飛び出てくれてもよかったです。でもガラス状だから下手に出過ぎるとぶっ壊れる危うさもあるので、ここで妥協したようにも聞こえます。悪くはないです。下がらないようにするあまり、ピッチが上ずりすぎていたようにも聞こえます。5曲目「Rest」も同じような傾向で、上ずっていたのが気になりました。6曲目「Come to me」で最後立て直したように思えます。
透明感のある透き通った声で、宗教曲にはピッタリです。優し目な音色が必要な曲にマッチしている印象を持ちました。
第2ステージ:翠結社(みどりけっしゃ)
私読み方知らなかったんですよ。「すいけっしゃ」だと思ってました。無学すぎました…(汗)。
服装的には緑なので、団体名も「みどり」と読めるはずなんですが、どうしてもヒスイ(翡翠)のほうが来ますね。
男声合唱だけど、混声合唱っぽい感じがありますね。倍音の影響かもしれません。
1曲目「HINBARRA」は声が入り乱れる感じで、祭りを意識していますね。ハモるというよりはそれぞれの掛け合いを意識すると思っていたほうが間違いはないでしょう。「Hin barra bin o hin bo」が日本のお祭りの囃子言葉に相当することも見れば、お祭り騒ぎを表現していると言えるはずです。
2曲目「Incantatio maris aestuosi」はお経のような感じです。この曲ができた背景がエストニア豪沈没事件の犠牲者に対する追悼として作曲されているからです。鎮魂歌ですね。これもお経のような感じでそれぞれのパートへと受け渡されていきます。発声もまたちゃんとお経を意識していて素晴らしかったです。
3曲目「Aftonen」は分散和音主体の曲に感じました。2曲目とはガラリと雰囲気が変わって、軽やかとまではいきませんが穏やかな曲調で油断すると眠ってしまうぐらいには心地よかったです。優しい音色でしたね。
4曲目「KHORUMI」は歌詞はありません。「Bili bli dan bili」だけでも躍動感がありました。並びが一瞬バーバーショップカルテットでしたが、サウンド的にはそうでもないようです。
最後「Somebody to Love」は最高ですね。この団のよさが活かされていますし、最後の曲に置いたのは素晴らしいです。今までの男声合唱と言うよりは、ポップス全振りで音楽をよい崩し方をされています。
第3ステージ:Ensemble vert paon
地産地唱よりもパワーアップしてた印象です。ピアノ伴奏のレベルも格段に上がったように感じます。大体の合唱団だと合唱に埋もれがちなんですが、存在感があります。
1曲目「あけがたにくる人よ」は地産地唱よりも寂しさを表現されてましたね。また、寒々しさを感じますし、快晴の日の夜明けという感じですね。晴れてるけどなんか肌寒いという感じです。ピアノのタッチも洗練されていました。
2曲目「柱時計」もピアノの残響を合唱が活かしているという印象です。どちらかというと合唱付きのピアノ曲というように聞こえました。
3曲目「カ」は文字通り虫の蚊です。小さい命を「自分で弔って」って不思議な感じがします。ひとりぼっちなんだけど寂しさを感じさせない、コード進行のおかげもあり、コミカルな演奏でした。
4曲目「花冷え」はこちらも地産地唱のときよりもさらに寒々しさが出ていて嬉しかったです。時系列が急展開する感じ大好きです。
5曲目「今日は死ぬのにもってこいの日だ」は明るく死をとらえてやがると思いましたねww これは私の偏見ですが笑って崖から落ちそうな勢いがあります。陽気になったら、急にまじめになる感じも好きです。合唱というよりはミュージカルに近い曲調という印象を持ちました。
第4ステージ:合同演奏
2曲ありましたがどちらも谷川俊太郎の詩です。1曲目は三善晃の「生きる」。他の演奏よりもだいぶゆっくりな演奏でした。歌う側としてはかなり大変だったでしょう。ピアノ伴奏を際立たせています。特に内声を際立たせるところは、シプリアン・カツァリスっぽいなと思いました。欲を言えば声部ごとにもっと主張しても良かった気がします。
2曲目は松下耕の「感謝」。詩の中にある「今日は昨日の続き」から演奏会のタイトルをとったのでしょう。かなり壮大な曲です。谷川俊太郎さんが亡くなる直前の詩です。まるでお迎えがくる直前の感じがしましたね。松下耕さんが谷川俊太郎さんに宛てた曲と言っても不思議ではないぐらいです。この曲もピアノがしっかり主張しないとこの曲は映えません。ffの力強さは必須です。上品な演奏は必要ありません。
そしてアンコールは同じく松下耕の「ありがとう」です。こちらは直接的です。響きが軽やかですね。メインディッシュの後に軽めのデザートを食べる感じですが、曲自体は意外と重たいのでそう聞こえるだけです。
最後に
「Amorphous Ensemble」と「翠結社」の演奏は聴いたことがなかったので、聴くことができてよかったです。友人が誘ってくれたおかげで、私は演奏会を楽しむことができました。またこういう機会があれば聴きに行きたいです。
というわけで、この後にお酒の内容が来るはずでしたが、この時は土曜日だったので、行きたいと思ってた日本酒飲み比べはおそらく混みあっているでしょうから今回はあきらめました。ちゃんと帰宅しましたよ。帰宅してからラーメンを食べましたが。写真はありません、はい。
