ワルツ第16番(遺作)(ショパン)
ワルツ第16番変イ長調 B.21 KK.IVa-13は、ショパンによって作曲されたワルツです。
1827年から1830年ごろに作曲されたと言われています。
8分の3拍子の軽やかな曲調が特徴です。ワルツというよりスケルツォに近いようにも聞こえます。
弾いてみるとそこそこ曲者な曲です。
半音移動で滑らかに移動できないとすぐバレてしまうという危険性を持っています(笑)。
遅く弾くのはさすがによくないですので、比較的早いテンポで弾けるようにしたほうがよいでしょう。
曲の構成
第1部
8分の3拍子で書いてあるところが、違和感を覚える人もいるかもしれません。
音符を細かくすることによって、軽やかな曲調を演出しているかもしれません。
速度記号で指定すれば同じようなテンポかもしれませんが、見た目というのは大事です。
これを4分の3拍子で書いたら、間延びして見えて軽やかさを感じないかもしれません。
簡単そうに見えますが、意外と曲者です。
手が大きければ2→5と幅の広いところを演奏してもよいですが、少し速めのテンポなのでミスタッチしやすいところです。
大人しく1→5で演奏するほうが安全でしょう。
5度の和音で始まるパターンはあまりないですが、ショパンの曲ではよくあることです。
例えば、第2番(作品34-1)とか第11番(作品70-1)とかノクターン第5番(作品15-2)とかノクターン第14番(作品48-2)も5度の和音で始まります。
半音階っぽいところはぎこちなくなりやすいところです。
普通だったらrit.をしてもよさそうなところですが、軽やかな曲調がこの曲の特徴なので、無闇に遅くせずそのままのテンポで演奏したほうがよいでしょう。
第2部・コーダ
第2部に入る前の赤で囲ってあるところは1オクターブ上げる演奏もあります。
というか、1オクターブ上げたほうが自然に聞こえるのは私だけでしょうか?
上げないと途中でブツ切れになるように聞こえますし。
そして、第2部はヘ短調になります。
よく見てみると、コード進行はIとV7しかありません。
2つのコード進行だけで作っているというのはまだ発展途上の段階かもしれません。
途中のところに終止線がありますが1回目では終わりません。
Trioへと続けます。
中間部
Trioでは、変ニ長調へと転調します。
主にアルペジオ移動ですね。特にひねりもなくすぐに終わります。
Da capo Valseで最初に戻り、Fineのところで終わります。
難易度
普通
演奏時間
2分程度
私の演奏動画
残念ながらまだありません。
出来次第アップロードしますので、楽しみにしていてください。