ケイセイ・フーズ、岸敏夫社長の禁じ手

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労働者の権利はなかったことにするんですか?

テレ朝newsから引用:

 お盆のUターンラッシュの混雑が続くなか、従業員のストライキで営業を停止していた東北自動車道上り線の佐野サービスエリアで営業が再開されました。

 佐野サービスエリアではテナントを運営する会社の社長と従業員が人事を巡って対立してストライキが起き、14日から営業を停止していました。社長側は新たなスタッフを動員して16日午前7時から売店の営業を再開しました。
 ケイセイ・フーズ、岸敏夫社長:「大変、ご迷惑を掛けて本当に申し訳ございませんでした。また新たな思いで頑張ってやります」
 午前10時半からはフードコートで名物の佐野ラーメンの提供が再開され、渋滞が激しくなる午後以降、ラーメン以外の軽食なども順次、提供したいとしています。

朝日テレビも岸敏夫社長もスト破りを恥ずべき

日本国憲法第21条について見てみましょう。

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
○2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
○3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

続いては、日本国憲法第28条について見てみましょう。

勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

サービスエリアの従業員は憲法第21条と憲法第28条に基づいた行動をしただけです。
ストライキを起こさなければ、自分たちは飼い殺しにされてしまうと。

岸敏夫社長は自分のところの従業員が、どうしてストライキに至ったのか考えないのですか?
従業員の待遇を悪くしておいて、いい仕事をしてねというのはどう考えても虫がよいです。
納入業者が卸を中止したというのは、おそらくケイセイ・フーズに問題があったと考えられます。
社長だけ責任を逃れるわけにはいきません。

朝日テレビも同罪です。
「佐野SA再開 新たなスタッフ集め名物ラーメンも復活」とおめでたい見出しを付けている場合ではありません。
どうしてストライキに至ったのか考えるべきです。
そこを取材するべきです。
権力側に立って、名物ラーメンも復活という頭の中お花畑で語るなど、メディアの役割ではありません。

岸敏夫社長は従業員がストライキを起こしたから、新たにスタッフを入れて営業しています。
残っているスタッフを団結権を行使したからといって解雇にしたら、解雇権の乱用で訴えるべきです。

もし、スト破りがまかり通るようになれば、憲法第28条の団結権に基づいて行動しても、威力業務妨害で訴えることができてしまいます。
どれだけ待遇が悪くても、おとなしく従う以外になくなります。
ストライキをしてもダメ、一気に退職するのもダメになります。
飼い殺しや独裁を許すということになります。

迷惑をかけずにストライキを起こすなど不可能

香港の空港でデモしているニュースもありますが、「他人に迷惑をかけずに行え」という頓珍漢な意見が飛び交っています。

そもそも、デモやストライキは他人に迷惑をかけて行うものです。
これ以上権力者の横暴で自分たちは我慢できないというものを示すために行います。

使用者が示した条件では労働者たちは働かないのを示すのがストライキです。
その結果お店が営業できなくなったり、鉄道やバスが動かなくなったりします。
他人に迷惑がかかるけど、そこは労働環境改善のために我慢してねということです。
そのままの条件ではとてもじゃないができないという意思を示すのが、ストライキです。

プロ野球ストライキ騒動

ストライキと言えば、懐かしいニュースを持ち出します。

2004年に近鉄とオリックスが合併した影響を受けて、11球団にするのか12球団にするのかということで、選手側とオーナー側で争いとなりました。
当時の選手会会長、古田敦也氏は9月18日と19日にストライキを決行しました。
この2日間だけ、試合が全く行われませんでした。

楽天の新規参入が決まり、ダイエーホークスはソフトバンクに買い取られることになりました。

野球の件で言えば、選手たちがストライキしている間に、オーナーたちが別の選手を勝手に入れて試合を行うようなものです。
選手としては経営者側からダメとすら全く聞いていないのに、勝手に試合を進められているわけです。
「楽しみにしている観客のために」の名のもとに、なんでもやっていいわけではありません。

ストライキを行うことは他の労働者を守ることにもつながる

ストライキは、ようするに経営者側に対するけん制ですね。
「勝手なことやったら、こっちだって出るところ出るんだ」という姿勢で臨んでいきます。
スト破りをすることで、ストライキをした人たちを見せしめにしようという魂胆が見え見えです。

経営者の言うことには基本的に従いますが、労働者にとって圧倒的に待遇が悪くなるまでは従う必要はありません。
「嫌なら出ていけ」で済めばよいのですが、それだと不幸の連続です。
ずっと不幸の押し付け合い。

不幸の連続を断ち切って、次の労働者たちが正当な対価を請求できるようにsるのがストライキの大きな役割です。
「ただ嫌だから、働きたくない」とダダをこねているわけではありません。
それだったら勝手に辞めていけばよいです。
働きたいけど、かなり安い給料だったり、従業員同士の対立を煽られたりするから問題です。

一時的には損失だけど、長期的にはお客さんのためにもなる

あまりにも劣悪な環境だと、利用しているお客さんにとってもよくないです。
なんかギスギスしている雰囲気だと、どうしてもゆっくりできないです。
店長が従業員をいつも何でもないところで叱りつけているところだと、食事が喉を通らないときもあります。
孤独のグルメのアレですね。井之頭五郎が中華屋の主人に放ったセリフ。

モノを食べる時はね誰にも邪魔されず自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ 独りで静かで豊かで・・・

回転率を重視していない店でこうなると、せかされる感じがしてしまいます。
食事を満足に楽しめないですね。

正直言って、ストライキしても
「ま、しょうがないよな。お店が使えないのは残念だけど、これだけ従業員を大切にしないと営業できないよな」
という意見が多いと思います。
その後にお店の雰囲気が良ければ(もちろん採算とれる範囲内で)、お客さんとしても利用しやすくなります。
食事も楽しめますし、買い物も落ち着いてできます。

そう、救われてなきゃあダメなんだ。
店員さんもお客さんも。