ワルツ第9番(遺作)(ショパン)

ワルツ第9番変イ長調作品69-1は、ショパンによって1835年ごろに作曲されたと言われています。「別れのワルツ」という副題がついていますが、婚約者であるマリア・ヴォジニスカに送った作品ですので、別れどころか結婚を申し込む曲というのが合っていますね。でも結婚は破談に終わったので、のちの人たちが「別れ」と名付けたんでしょうね。結婚が成立していたら「婚約のワルツ」になっていたのでしょうね。それでも違和感はありませんね。
曲調は、優しい曲調で綺麗な旋律を奏でます。ブランデーを飲みながら夜に聴きたいです。
曲の構成
大まかに3部構成で、細かく分けると主題A+主題B+中間部A+中間部B+コーダの構成になっています。
最初
主題A+主題B構成について見ていきます。
主題A
この始まりを聴いたことがある人もいるでしょう。ピアノ名曲集の中級レベルに入りますね。
甘い旋律が特徴です。なのでfもそこまで強くせず、mpで弾く気持ちでいたほうがよいです。ガンガン強くしてはこの曲のよさを失ってしまいます。
主題Aの終わりです。細かい音符がありますが前後でスピードを動かしてもよいですが、拍の感じを失わないように。
細かい音符が浮いてしまうと意味がありません。
主題B
一般的に知られているのはフォンタナバージョンですね。ここでは2通りの楽譜について説明していきます。
正直言うと、このバージョンしか知らないのはもったいないですね。一般的に出回っているのがこれしかないのですから、発表会でもこちらを演奏する確率はかなり高いです。
リズムが複雑ですので、最初のうちはメトロノームを使って練習するとよいでしょう。3連符だったり付点4分音符だったり、初心者にしてはかなりハードルが高い部分です。
本当はこちらのバージョンも知ってほしいですね。私が演奏するときは1番をフォンタナバージョンで、2番をこちらの原典版に沿っています。有名ピアニストでもフォンタナバージョンでしか演奏していないから本当にもったいない。大事なことなので2回言いました。カツァリスだけはちゃんと両方で弾いています。
また細かい音符が出てきました。先ほどの主題Aと同じように浮かないように弾いてください。
ちなみに私はこの部分、後述するところの音符で弾いています。
中間部
Dolceと書いてあるけど油断するとどんどん速くなる地点です。気持ちよくなりすぎるとテンポがおろそかになりますね。ここはTempo guistoで弾く意識を。
ここも速度が上がりやすいポイントです。中間部は弾いていて気持ちよくなりますからね。
余裕があればマーカーしたところを強く弾いてみてください。私はカツァリス氏の演奏を参考にしているので、内側を強くしたくなります。
コーダ
最後は主題Aや主題Bと同じような感じで終わります。
私は、赤で囲った部分をさらに1オクターブ引き延ばして弾いています。楽譜には書いてありませんが、18連符ほどになっていますね。元の部分を先ほどの主題Bに使っています。
難易度
易しい~普通
演奏時間
4分
私の演奏動画
なんだろう、何の変哲もない演奏ですが、フォンタナバージョンと原典版の2種類を繰り返しのところで弾き分けています。