高音域出し過ぎはよくない
ようやく声帯が落ち着いてきました。
ガサガサする感じがなくなりました。
1900年前後のオペラ歌手が、
高音域を楽譜よりも無闇に上げないのは、
声帯を大切にするためでもあったと思います。
あとはメンタル的にも安定していなければならない
というのもあったのでしょう。
今は高音域偏重の時代で、
充実した低音域・中音域を出すよりも、
酷い発声で高音域を出せたほうが
上手という扱いを受けます。
まあ、私は世間のトレンドと逆行しているのですけど笑。
低音域を充実させてから、
どんどん高い音へ充実させていきます。
バリトンでもテノールのアリアを歌える実力があっても、
ほどほどにしておいたほうがよいです。
たとえこれぐらい埋まった声で歌えても:
最後「Vincero!」ですが、ここの高音域は、
ソプラクートといって、
喉仏を限界まで下げながら
ファルセットを出す感覚になります。
あまりやりすぎると、
高音域の低いところで声が裏返りやすくなって、
首の後ろに力をかけて歌いづらくなります。
結果として声帯を痛めやすくなりますね。
もう一つは、
ファルセットを出しているような感覚なので、
メンタル的にも「逃げ」のほうに傾きます。
何かしら考え事していても、
思うように文章が書けませんでした。
考えをまとめるのが、
少し下手になったような気がします。
少しだけ調子が悪くなった時点で、
ちょっと締め付ける発声に切り替えたほうが
よかったのかもしれません。
タイトに硬く歌うのは体力が要りますが、
声帯やメンタルのためには良いことです。
もちろん、聴く人にも体力を要求しますね。
そう、
ちょっと調子悪くなったら、基礎に戻る。
これを徹底すれば、
大事故になることはありません。
まあ、私の体感の話ですけれど、
声とメンタルはつながっていますからね。
声を大事にしないと精神も潰れてしまいます。